JQ1YCKとしてALLJA参加及び第1回FOXハンティング大会等  (2007.4.28-29 合宿)

2007年4月28日(土)〜29日(日)、例年、第1回FOXハンティング大会としているところですが、今年は、ALLJAコンテストに、JQ1YCKとして、生徒連合チームで出ようということになりました。

いろいろな方のご尽力をいただき、神奈川県立横須賀工業高校に合宿することができました。
コンテスト参加を早めに切り上げ、第1回FOXハンティング大会も行いました。

初めての参加形態に、生徒たちも、非常に有意義であったと語っていました。

ご尽力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。


以下、中心となって動いてくれた藤田君の、「ALLJAコンテスト参加記」です。

-------------------------------------------------------------

◆ALLJAコンテスト参加記
―藤田佳祐―(神奈川県立平塚江南高等学校3年)

●概要
去る4月28日から29日にかけてALLJAコンテストにおいて神奈川高文連(JQ1YCK)として神奈川県立横須賀工業高校から運用が行われました。横須賀工業高校、神奈川工業高校、藤嶺藤沢高校、平塚江南高校の生徒が参加し、大いに盛り上がる運用となりました。

●なぜコンテストか?
現在、高校生の中でARDFなどの手軽な競技が盛んになることはアマチュア無線への入り口としてとても良いことだと思いますが、一方コンテストに目を向けるとジュニア部門ではマルチバンドのアンテナを準備したり、出力別の部門になっていないことから残念ながらとても敷居の高い状況になっていると思います。
しかし、クラブ局でのコンテストは知力・体力さらには統率力まで問われる総合的な競技であり、さらにチームワークや目標を達成したときの何物にも代えがたい楽しさあると思います。この楽しさを高校生の皆に「発見」してもらいたいというのが第一のねらいです。
もう一つ、高文連に大変にお世話になったのでそのこと事への恩返し(これからがんばる高校生ハムへの恩返し)という意味です。残念ながら、県内高校の部活には活動としてアマチュア無線をされていながら、高文連の存在をご存知無い団体がいらっしゃるので、コンテスト中の運用や、結果欄に高文連のコールサインで出ることによって高文連のPRを図ろうという事もねらいです。


●実現までの道のり
高校入学当初より私の中で「マルチオペ・マルチバンドジュニア部門の特性を生かし学校や所属、学年などに関係無く高校生が集まりコンテストを行ったらどんなに楽しいだろう!」と言う構想がありました。その後提案できる機会がなかなか無かったのですが、あるきっかけで高文連という機関を知り、昨年春頃このような企画を出来ないのだろうかという提案をさせていただきました。
しかし、そこには数々の問題が立ち塞がっていました。例えば運用場所一つとっても許可が必要であると聞き、帰りの電車の中で一朝一夕にはかなわない願いであると実感させられました。
ところが、転機は突然訪れました。今年1月X日高等学校総合文化祭閉会式の際、高文連の石谷先生から「コンテストの件、横須賀工業高校で出来る事になりました。」と聞き天にも昇る気持ちになりました。私の知らぬ間に着々と実現へ近づいていたのです。


●いざ“横須賀”へ
若干の事前打ち合わせの後、いよいよコンテスト当日(28日)になりました。午前10時平塚江南高校物理部の部員を引き連れ会場の横須賀工業高校に着いてビックリ。あらかじめ打ち合わせで聞いていたとはいえ当日から大半のアンテナ整備をすることになりました。午後からは雨になるという予報だったので早速3.5MHzはオーソドックスなDPをその場で製作、7,21,50MHzは既設のアンテナを使用させて頂き、14,28MHzは自作アンテナを持ちこみました。
やはり予期せぬ問題は付き物で、7MHzダブルループアンテナのエレメントが断線していたり50MHzヘンテナのエレメントパイプが破損したりして中々大変な作業でした。


●コンテストを楽しむための下準備
アンテナ作業も一段落した午後からは藤嶺藤沢高校の生徒も合流し、無線機器の配置をする班と「コンテストが初めて」という人にレクチャーをする班に分かれて作業開始です。
午前中にアンテナ作業を重点的に行った関係で午後の予定を急ピッチで消化しなければなりませんでした。無線とは何かから始まり、コンテストの交信パターンや電波伝搬の特徴までを限られた時間の中で説明するのはとても大変なことでした。


●そしてコンテストが始まった
2050最後の全体ミーティングも半ばに各担当バントに散らばってもらいました。準備が完了するかしないかと言う内にコンテスト開始時間2100はやってきました。もうココからは文字どおり「必死」で運用しました。開始直後、運用する皆の目が輝いていたのがとても印象的でした。
翌日の朝日はまぶしく輝きながら朝の訪れを告げました。朝からは次第に交信局数も伸びていき、夢中で運用して気が着くともう撤収時間が迫っていました。
 準備とは違い片付けは素早く終らせ、反省会をすることが出来ました。反省会では今後の行事を良くする意見が積極的に発言され、非常に参考になりました。


●免許が無くったってコンテストは楽しい!
コンテストは無線従事者免許を持っている人だけの楽しみでしょうか?私はNoだと答えます、なぜならコンテストの楽しさをきっかけにアマチュア無線を深く追求してみようと思う可能性に期待したいからです。
では、免許の無い人はどのようにコンテストに係わっていくのでしょうか?今回はPCでログを取っていましたので交信は免許のある生徒が担当し、その横でPCへの入力を免許の無い生徒が担当しました。これをサブオペレータ制度と呼んで、分業制にしました。
 コンテストどころかこの行事で初めて本格的に無線に触れたという生徒もいましたが、コンテスト後の反省会で早くも「CWにチャレンジしてみたい」という意見もでるほどコンテストを身近に感じてもらえたようです。


●運用を終えて
今回のコンテストは高得点を狙うというよりも高校生の皆さんにコンテストを味わってもらう事を重視した結果になりました。私やクラブ員に競技性を重視するべきかどうかという葛藤がありましたが、この行事に参加して非常に楽しかったと思っています。
 現代の高校生は決してアマチュア無線を捨てたわけではありません!学生は「もの作りが楽しそうだから」「ARDFが楽しそうだから」「世界中と交信できそうだから」…という様々な理由で高校クラブの門をたたきます。後はどうやってその心に火を着けるかが問題です。この行事にそのきっかけの一つになっていればこそ、先生方も生徒もやりがいがあったというものです。完全にとは行きませんでしたが、目的は達成されたと思います。来年、再来年と続いて、高校生にコンテストの狭き門戸を開放する突破口になることを祈っております。さらに、今後このような「高文連とジュニアによるジュニアのためのコンテスト運用」が全国で続けば嬉しい次第です。
 ところで、一つ読者の皆様にご理解頂きたい事があります。このように公立学校からコンテストに参加する際、運用時間等で制限を受けている場合があり、「熱意」だけではクリアできないハードルがあるという事です。
最後になりましたがこの企画の実現にご尽力頂いた先生方OBの皆様、生徒の皆さん、及び交信していただいた各局に心から深く御礼申し上げます。